純情産地いわて「みどり戦略ビジョン」

「みどり戦略ビジョン」令和5年度の総括

1.土壌診断による適正施肥

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R7:土壌分析 6,000件/年(県内のみ)
5年度の成果
  • ・土壌分析件数:6,284件(3月末実績)
  • ・くみあい肥料と連携し農家推進時に土壌診断による適性施肥の取り組みを促進
  • ・肥料高騰対策のメニューとして推進

2.耕畜連携による資源循環

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・WCS
    R5:2JA計2.8haにて良品質栽培・地域内供給の検証実施
    R7までに県内で実証面積計10haを目標とする
  • ・鶏ふんのBB肥料原料化に向けた取組み
    R5~6:試験、R6~7:実証・普及
5年度の成果
  • ・WCS
    2JAで2.6haの栽培
    次年度の作付面積拡大と専用品種による試験生産を実施
  • ・モデル経営体による新規取り組みが決定(作付面積:2ha)
  • ・4戸の酪農場に合計約1,300個のWCSを斡旋できた
  • ・堆肥入り混合BB肥料・4品目の固結試験を実施、うち2品目は試験結果良好により流通に向け継続試験を行う

3.水稲栽培における「秋耕」の実施、または中干し期間の延長の実施

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R7:全JAで「秋耕作作業」について、栽培履歴・栽培記録簿に100%掲載
  • ・~R12:JAいわてグループが取り扱う米はすべて環境負荷低減米を目指す
5年度の成果
  • ・秋耕実施率39%(11,847㏊)
    メタンガス削減効果試算 ▲91千トン
  • ・各JAとも注文書や座談会資料等に掲載された栽培暦や指導書に「秋耕」が掲載されているのを確認
  • ・「JAいわて平泉」「JA岩手ふるさと」に対し、Jクレジットの取り組みに係る説明を実施
  • ・「JAいわて平泉」では別途生産者を対象とした説明会を開催、6年産で600haを目指して取り組むこととなった

4.園芸施設へのヒートポンプの導入

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・新規導入および長期運用器具の更新における提案
5年度の成果
  • ・先進園芸実証ハウス(ピーマンハウス)を設置
  • ・園芸生産実証農場へのヒートポンプ導入

5.特別栽培や省農薬・省化学肥料による生産

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・特別栽培農産物栽培面積維持
    R4:主食用米6,630ha(生産面積比15%)
    → R7:6,630㏊(17%)
    ※野菜(25ha)、果樹(130ha)もR4同水準を維持
  • ・化学農薬、化学肥料使用量を慣行比▲20%(特栽含む)
    R4:農薬成分抑制水稲10,580ha(生産面積比24%)
    → R7:10,580㏊(26%)
    ※園芸品目は収量への影響を勘案しつつ削減に努める
    ※化学肥料の削減は、R5の堆肥等の使用状況を鑑み、今後検討する
5年度の成果
  • ・特別栽培米 集荷実績
    R4:19,993㌧(6,630ha)
    R5:16,592㌧(5,503ha)
  • ・次年度、園芸品目でバイオスティミュラント資材を用いた減肥栽培試験を実施する

6.ネオニコチノイド系の従来殺虫剤を極力使わない防除体系の検討

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・新規薬剤等に関する情報収集と実証試験
5年度の成果
  • ・JA江刺では、水稲カメムシ剤をネオニコ剤からキラップに変更した。
    各種実証結果の総括は終わっていないが、ネオニコチノイド剤よりも効果は同等かやや劣る結果となった

7.有機農業に向けた取り組み支援

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・情報収集および実践手段の検討、周知の実施
5年度の成果
  • ・県内各地に有機農法を推奨する団体等があり、それぞれの活動状況を調査した

8.農業用プラスチックの排出抑制

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・被覆肥料代替施肥技術の実証と普及
    R5:実証・普及
    R6:普及
    R7:実用
5年度の成果
  • ・被覆肥料の代替となる肥料について、県内約20か所で実証試験を実施し、令和6年用からJA江刺で採用となった
  • ・追肥型栽培に向けて、BBドローン追肥専用肥料が2JAから受注があった

9.集約的園芸生産施設の設置

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5:ハウス栽培用ヒートポンプ空調機、施設園芸用木質バイオマス暖房機、施設園芸向け太陽光発電及び蓄電システムを導入予定
  • ・R6:実証栽培開始、以降、順次県内推進強化をはかる
5年度の成果
  • ・次年度に向け滞りなく準備ができた

10.集乳事業の一元化

達成度
A目標を超えた
目標
  • ・R5~:生産者・JA・県本部による検討
5年度の成果
  • ・花巻・遠野地区の路線合理化による積載率の大幅改善
  • ・いわて平泉の路線合理化
  • ・新たな運賃補填の決定

11.牛の健全育成

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~:情報収集および実証試験の検討
5年度の成果
  • ・添加剤販売業者と情報交換を行った
  • ・実用性・効果が明確になるまでは情報収集のみとする

12.再生可能エネルギー設備の設置促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R6:設置に適した施設の情報収集とシステムの周知、取扱機器の選定と方向性の確認
  • ・R7~:導入に適した施設への導入提案
5年度の成果
  • ・全農本所と連携し、蓄電池推進体制をJAと共有した
  • ・太陽光設備についてはいわちくへの設置完了し6年3月より運用開始
  • ・小規模水力発電装置の情報共有

13.「Xarvio(ザルビオ)」の活用

達成度
A目標を超えた
目標
  • ・ザルビオの活用
    R4:9件 → R7:累計20件
  • ・可変施肥
    R5・R6:試験実証 → R7:実践導入
5年度の成果
  • ・ザルビオ導入件数:21件
  • ・可変施肥試験実証:1経営体
  • ・手取り最大化セミナーでの紹介により2名の生産者から導入の要望あり
  • ・JA&クボタアグリンピックin岩手2023を通じて、ザルビオを紹介
  • ・クボタセールスコンクール表彰大会(2/15)の中でトップセールスの職員に対しザルビオの活用事例を紹介

14.IPM基本防除体系の実践

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~:情報収集および試験実証をおこない、防除体系の確立を目指す
5年度の成果
  • ・りんごのハダニ類、水稲初期害虫の新規殺虫剤は期待する効果までは得られなかった
    → 現地試験と知見が足りなかったため継続
  • ・従来殺虫剤の削減を目的に、水稲初期害虫の隔年防除体系の試験を実施し、一定の効果が確認出来た
  • ・関係メーカーからの情報収集とJAへの提供

15.環境モニタリング機器等の導入促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・水位センサー R5~R7:50台/年導入
  • ・自動給水機 R5:試験導入開始、R6・R7:30台/年導入
5年度の成果
  • ・水位センサー導入件数:13件
  • ・園芸部門では本会アンジェレ(うぃずOne)ハウスでモニタリング機器を実証し目標収量を達成
  • ・本会先進園芸実証農場(ピーマン)で6年度実証

16.省力化器具・手法の活用促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・既知の省力化技術を水平展開
  • ・新たな技術・機械器具等の情報収集と実証、情報発信
5年度の成果
  • ・ドローン請負事業:3件
    (JA江刺、JAおおふなと、JAいわて平泉)
  • ・次年度ドローン請負事業は新規2件、面積拡大2件
  • ・園芸品目ではうぃずOne新規、規模拡大に取組む生産者が見られた
  • ・ULV5は作業効率がよく労力軽減もはかれたと農家から評価
  • ・ダイロン・ザクサはJA検討会・農家推進・JA-TAC会議においてチラシの配布と紹介を行い、供給実績が拡大した
  • ・ドローンはJA検討会・農家推進でPRを行った
  • ・農機展示会や試乗実演会でJA及び組合員に向けて省力化機械の展示紹介を実施
  • ・県域展示会では「みどりの食料システム戦略」に関する講演会を実施

17.Z-GISの利用促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・Z-GIS
    R4:165件 → R7:累計200件
5年度の成果
  • ・契約件数:11件(累計176件)

18.V-NeKHsの活用促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・年契約・月契約
    R4:3件 → R7:累計20件
5年度の成果
  • ・令和6年度にむけて新規1件が導入
  • ・農機展示会・実演試乗会を通じて、V-NeKHsの紹介を実施
  • ・JA&クボタアグリンピックin岩手2023ではトラクターや田植機と連動させ実演を行った

19.生分解性マルチの活用

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・機能・取り扱い方法等の再認識に向けた情報発信
5年度の成果
  • ・生分解マルチへの切り替え助成を6年度サポート事業メニューに加えた
  • ・関係部署・メーカーと協議し、系統一元資材として取り組むことを確認

20.効率的な輸送体系の確立

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・米穀ではR5~R7:紙袋輸送の50%を一貫パレチゼーション化を目指す(岩手県としての目標)
  • ・~R12:全農統一フレコン導入率を100%(現状約25%)
  • ・園芸では11型パレットを統一規格とし、出荷規格・出荷容器の対応を進める。
    → R5(新規1品目)、R6(新規2品目)
  • ・園芸ストックポイント R6:県外1か所設置
  • ・資材では11パレットに適合する段ボール規格設定の取組み
    R5:2品目、R6:2品目、R7:2品目
5年度の成果
  • ・米穀において絆倉庫に一貫パレット1,000枚導入
    → 全体流通3,900枚(4,914㌧)
  • ・園芸品目において全県集約輸送により効率化、積載率の向上につながった
  • ・11パレット適合段ボール規格への切り替え(6年度からピーマン・なす)

21.GAPへの取り組み

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~:JA営農指導員に対し、GAP関連の各資格取得支援を実施
  • ・R5.11 JAいわて花巻(加工用ねぎ)4名、JGAP団体認証取得予定
5年度の成果
  • ・JA新いわて、JAいわて平泉のGAPの団体認証が更新
  • ・JAいわて花巻(加工ネギ)が、JGAPの団体認証を取得
  • ・「いわて国際水準GAP」が国の準拠を得た

22.取り組みの発信

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R7:広報誌掲載(上下期各1回)、報道機関へのリリース(随時)、メディア媒体活用PR(上下期各1回)
5年度の成果
  • ・広報誌掲載(上期1回、下期0回)、報道機関へのリリース(上期1回)、メディア媒体活用PR(上期2回)
  • ・日本農業新聞に掲載されたことで県外からの問い合わせが多く、本県の進め方・考え方を説明できた