2024年9月12日ピーマン自動収穫ロボットの実証実験を開始しました!
本会は3日、紫波町にある先進園芸実証農場でピーマン自動収穫ロボットの実証実験を開始しました。
ロボットは、スマート農業を推進する宮崎県の企業「AGRIST株式会社(宮崎県)」が開発。搭載カメラに映し出されたピーマンが収穫に適しているかをAI(人工知能)が判別し、アームについたハサミで収穫します。収穫のスピードは1個あたり1分程度と速くはないですが、収穫作業を任せきりにできるため、人手をほかの作業に充てることができることが利点です。
岩手県はピーマンの栽培が盛んで、特に夏秋期における東京への出荷量は全国トップクラスを誇ります。比較的育てやすく新規参入しやすい品目でもあるため、本会では施設栽培による生産拡大を目指し、同農場で先進的園芸の実証試験を行なっています。その取り組みのひとつとして、労働生産性の向上が期待できる自動収穫ロボットの試験導入を検討し、AGRISTとの連携による今回の実証試験に至りました。
レール走行式のピーマン収穫ロボットが産地に入るのは全国初となります。AGRISTの増渕武プロダクトリーダーは「以前から(JA全農いわての)熱心なアプローチがあったことや、ロボットを導入しやすい設備が整っていたことから、今回の試験導入が実現した。AGRISTの自社農場とは環境や栽培方法が少し違い、作業がスムーズに進まない部分がまだまだあるが、調整や改良を重ね有効性を検証していきたい」と意気込みを語りました。
この実証試験は9月20日まで行われ、来シーズンも試験導入を継続予定です。本会では3年後の実装を目指し、農場の施設化を含めた「ピーマン栽培パッケージ」としても県内への導入を進めたいと考えています。園芸部生産振興戦略室の平坂健宏室長は「農業従事者の減少や人手不足、夏場の酷暑での作業といった課題があるなか、農場の施設化やロボットなど様々な技術の導入で安定的な生産と収入が見込める農業の構築を目指している。実証試験期間中は視察もできるので、まずは多くの生産者に収穫作業が自動化できることを実際に見ていただきたい」と話しました。視察は事前申し込みで受付けています。